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朴 智星 的生き方~UEFA CLマンU対ACミラン戦から [海外サッカー]

 OLD TRAFFORDの座席からは、彼の動きが実によくわかった。
攻撃のときはONE TOPのルーニーの背後からゴール前に飛び出す。
また、2列目でダイアゴナルランを繰り返して味方にスペースを作り出す。味方からボールを引き出す。
はたまた、相手ボールになるや敵の攻撃の要であるピルロのマンマークに徹して、敵陣から味方ゴール前まで労を惜しまずに走る。
マンチェスターユナイテッドのFWである、朴智星のことである。
2010年3月10日UEFA CLベスト16のAC MILAN戦でのことだ。

 ルーニーもスコールズも他のメンバーも彼に安心してボールを預けるのも頷ける気がする。
この試合はベッカムの帰還とルーニーの2得点が話題になっているが、影の功労者は朴だと思った。
AC MILANのロナウジーニョが、前半開始早々、対面のG・ネビルのタックルを受けてもんどりうってから、すっかり鳴りを潜めてしまった。そして、MILANの攻撃のもうひとつの柱であったピルロを朴が完封したことが4-0の勝因だろう。

彼は数年前にヒディングが監督をしていたPSVからマンUに引き抜かれたものだが、
コリアンマネー目当ての移籍ではなく、そのトップ下としてのプレーがマンUに必要として判断されたのだろう。
それまでは、マンUのフォーメーションは4-4-2のフラット形で、トップ下は明確には置いていなかった。
ベッカムでさえも、当時は右サイド、C・ロナウドもサイドの人である。
そのコンセプトを変えてまで、ファーガソンが朴をスカウトしたのは、その才能に加えて適応性なるが故ではなかったか。

そして、見事にそれを開花させた朴。
すばらしきは彼のサッカー人生なかりけり。

朴は試合中に味方と会話を交わしていることはまずない。つまり、英語を解せずともお互いのプレーが分かり合っているということだ。
多くが、商売目当てだったり、言葉や家族の問題で、欧州のチームに溶け込めずに帰国することとなる日本人プレーヤーとは明らかに生き方が異なる。

背丈はそれほどでもないのに、プレミアでここまでやれるのは、筋力が鋼のようだからかもしれない。
ボールを持った瞬間に、ドリブルで5m,10m前身するときの加速が早い。あっという間に敵プレーヤーを置き去りにして、数的優位を作り出す。筋肉系の負傷が多いことも、それを連想させる。

この日の3点目は、2列目からの飛び出しで右角度のないところから、逆サイドのネットにシュートをねじ込んだ。
並みのプレーヤーならマイナスに戻して味方に打たせようとしそうだが、ゴールへの執念も見事だ。
いわば、がんばったことへのご褒美ではなかったか。


いつか彼に会えたら、言ってあげたい。
「私は日本人だが、あなたはアジア人の誇りです」と

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