ベッカムの帰還~Old Traffordよ永遠に [海外サッカー]
スタジアムを埋め尽くした観衆は、そのときを待っていた。
背番号32がピッチに現れる瞬間を。そして、後半19分、そのときはやってきた。
デビット・ベッカムが敵側の交代選手としてピッチに登場した。2010年3月10日 UEFA CL決勝トーナメント1回戦、マンU対ACミラン
彼がawayチームの一員としてOld Traffordに帰ってくると聞いたときに、果たして観衆の反応はどうなるのだろうかと考えた。
マンUの黄金時代を支えた選手であるが、敵側の一員としてブーイングのひとつでも浴びるのではないと。
場内アナウンスでベッカムの交代が告げられると、椅子がバチ、バチっと客の座っていない状態に戻る音がメインスタンドの一角で響いた。それが、ウエーブのように私の席まで迫ってくる。
スタンディングオベーションが始まったのだ。
あっという間に、それがスタジアム全体に広がり、隣の10歳くらいの少年も、70歳くらいの老人も手を叩いている。7万4千人による万雷の拍手が鳴り止まない。1分は続いただろうか。
2階席にはWelcom Backの横断幕も現れた。
ベッカムがピッチに入ると、目頭を押さえたように見えた。
ピッチに入るや、いつものように右サイドでボールを受け、クロスを送り込む。
ゴール前25mから浮き球を右足でボレーシュート。さしものファンデルサールもパンチングで逃げるのが精一杯。
また、DFとGKの間のほんのわずかな空間に低い高速クロスを入れる。
あと何センチでインザーギの足が届かない。
こうしたプレーのたびに、AWAYチームの選手なのにマンUIサポから拍手が沸き起こった。
交代した時点で既に3-0と試合の行方は決していたが、観客は待っていた。7年ぶりの王子の帰還を。
試合終了後、ピッチの中央で一人、自分の頭上で手を叩いてスタジアム全体に挨拶するベッカム。
またも、暖かい拍手が鳴り響く。
そして、彼に渡された黄色と緑色のマフラーを首に巻いた瞬間、スタジアムの興奮が最高潮に達した。
その姿は、まるで「俺の魂はみんなと共にここにある」といわんばかりであった。
サッカー選手として、ここまで地元に愛される選手はそうはいない。
ベッカムこそは世界一の幸せ者かもしれない。
Welcome home! Beckam

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背番号32がピッチに現れる瞬間を。そして、後半19分、そのときはやってきた。

彼がawayチームの一員としてOld Traffordに帰ってくると聞いたときに、果たして観衆の反応はどうなるのだろうかと考えた。
マンUの黄金時代を支えた選手であるが、敵側の一員としてブーイングのひとつでも浴びるのではないと。
場内アナウンスでベッカムの交代が告げられると、椅子がバチ、バチっと客の座っていない状態に戻る音がメインスタンドの一角で響いた。それが、ウエーブのように私の席まで迫ってくる。
スタンディングオベーションが始まったのだ。
あっという間に、それがスタジアム全体に広がり、隣の10歳くらいの少年も、70歳くらいの老人も手を叩いている。7万4千人による万雷の拍手が鳴り止まない。1分は続いただろうか。
2階席にはWelcom Backの横断幕も現れた。
ベッカムがピッチに入ると、目頭を押さえたように見えた。
ピッチに入るや、いつものように右サイドでボールを受け、クロスを送り込む。

また、DFとGKの間のほんのわずかな空間に低い高速クロスを入れる。
あと何センチでインザーギの足が届かない。
こうしたプレーのたびに、AWAYチームの選手なのにマンUIサポから拍手が沸き起こった。
交代した時点で既に3-0と試合の行方は決していたが、観客は待っていた。7年ぶりの王子の帰還を。
試合終了後、ピッチの中央で一人、自分の頭上で手を叩いてスタジアム全体に挨拶するベッカム。

そして、彼に渡された黄色と緑色のマフラーを首に巻いた瞬間、スタジアムの興奮が最高潮に達した。
その姿は、まるで「俺の魂はみんなと共にここにある」といわんばかりであった。

サッカー選手として、ここまで地元に愛される選手はそうはいない。
ベッカムこそは世界一の幸せ者かもしれない。
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